2019年02月13日

環境省平成30年度浄化槽トップセミナー静岡 小野ゆみこ研修報告

開会挨拶 城内 実 環境副大臣
I. 講演1
「浄化槽による清流のまちづくり 小さいことはいいことだ」
 前京都府綾部市長 四方 八洲男氏
II. 講演2
「下水道事業における現状等」
 総務省自治財政局 準公営企業室 川畑 充代 課長補佐
III. 講演3
「これからの浄化槽について」 環境省環境再生・資源循環局 
 廃棄物訂正処理推進課 松田 尚之 浄化槽推進室長
IIII. 事例報告 
「静岡県における浄化槽法定検査について~きれいな水環境を次世代に~」
 一般財団法人静岡県生活化学検査センター 吉野 豪一 専務理事兼所長
V. 講演4
「静岡県における生活排水処理の現状と今後」
公益財団法人 日本環境整備教育センター 国安 克彦 理事

13時開始 17時終了 

開会挨拶 城内 実 環境副大臣

浄化槽トップセミナー静岡の開会に際し、城内実環境副大臣の主催者開会挨拶です。
 自身が環境副大臣のうちに、静岡県に多い単独処理浄化槽を合併処理浄化槽に転換させたい。優秀な合併処理浄化槽を世界に売り出していく決意が述べられました。

I.​講演1
「浄化槽による清流のまちづくり 小さいことはいいことだ」
 前京都府綾部市長 四方 八洲男氏

四方氏が綾部市長に就任した1998年当時、公共下水道は4.2%、農業集落排水施設は4.4%、浄化槽(個人設置型)1.3%だった。待ったなしの行政改革を進め、水洗化計画の変更を行った。
農業集落排水施設予定31箇所のうち、21箇所を取りやめ、全面的に合併処理浄化槽への転換を行った。50基から一気に2600基の浄化槽へ転換を図り、残りの農業集落排水施設も合併処理浄化槽に転換することで、9.9%しかなかった水洗化率は、82%にまで上昇した。
上林川や由良川の水もきれいになり、川祭りが復活、山家観光やなも復活した。
都市部の少ない綾部市において、合併処理浄化槽の果たす役割は大変に大きいものがる。
市民からも感謝されている。市民の環境に対する意識も大きく変わった。これからも浄化槽の発展に期待している。


II.​講演2
「下水道事業における現状等」
 総務省自治財政局 準公営企業室 川畑 充代 課長補佐

総務省からは、公営企業会計の適用拡大のお話がありました。今回の総務大臣通知等による要請は、平成31年1月で、1週間前に出たばかりの通知の報告です。
上下水道は公設であることから公営企業会計が以前より組まれています。しかし、個人設置型の浄化槽は、補助金は出ていても所有権は個人であるためい、今まで公営企業会計とは無縁でした。しかし、環境省より、市町村設置型浄化槽により単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換が図られていることから、公営企業会計の適用化が図られることとなりました。
あくまで、市町村設置型浄化槽の普及を図った場合に限るとの内容です。
また、公企業会計の適用拡大にかかる地方財政措置もあり、拡充されるとのこと。また、各公営企業が将来にわたって、事業を継続していくために、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」の策定を要請している。


まとめ:
市町村設置型浄化槽への公営企業会計は、下水道事業ほどの人数がいない市町村にとって大変厳しいものと思われる。市町村設置型浄化槽に全国で手を上げ、実施していける市町村がどれほどあるのか、国の支援の必要性を感じた。


III.​講演3
「これからの浄化槽について」 環境省環境再生・資源循環局 
 廃棄物訂正処理推進課 松田 尚之 浄化槽推進室長

平成29年度末において、静岡県の単独処理浄化槽の量は全国で一番多く、環境省より、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を図る必要性を強く指摘されております。
環境省平成30年度浄化槽トップセミナー静岡 小野ゆみこ研修報告
都道府県毎の11条検査受検率は、平成28年度末、下から数えて5番目です。しかし、以前はワーストワンでしたので、ずいぶんと改善されたことになります。
10年以上前、私が、常葉大学の松田先生に頼まれ、地域で「合併処理浄化槽と単独処理浄化槽の違いを知っているか」等々のアンケートをとって、環境省の中央審議会で報告し、その後、浄化槽フォーラムの理事になった際、そこでの勉強会で、静岡県は11条検査受検率は一番低いと指摘されたことを記憶しています。その当時から見れば改善されたことになります。


富士市は、浄化槽に関し、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換に国の補助金より多く、とりわけ、旧富士川町地域には、90%補助金で転換できる制度を確立し、転換率を向上させてきました。それと同時に11条検査にも補助をつけ、受検率を上げてきたことが、環境省により、評価されました。

浄化槽行政の今後について、市町村設置及び民間活用の普及促進を図るため、「浄化槽市町村整備推進事業」を行う旨の説明がありました。
市町村自らが市町村の財産として浄化槽を個人宅に設置し、住民から適正な料金を徴収することにより、市町村の公営企業として維持管理を実施するものです。
平成6年の事業創設以降、計300市町村において実施。うち176市町村は平成28年度末時点で整備事業を実施中である。市町村設置型浄化槽には、メリット・デメリットが考えられます。
メリットとして①維持管理の徹底によるほう流水質の向上 ②設置時や維持管理に関する住民負担の軽減 ③業者においても長期的に安定した事業が図られる点です。
デメリットとしては、①市町村の金銭的負担が増加すること ②市町村の事務作業量の増加などが挙げられるが、それらは、浄化槽事業民間活用で補えると考えられる。指定工務店制度、PFI(BTO)、指定管理者制度などである。
平成28年度末現在において、現在実施されているPFIによる事業13市町あり、これまでに実施されたPFIによる事業は17市町です。
また、浄化槽事業における公営企業会計適用率は9%、うち、行政人口3万人以上では16%である。企業会計適用事業の維持管理費回収率は58%、浄化槽次号全体の回収率より低い。回収率を念頭に置いた使用料設定が必要です。
また、浄化槽事業の全経費の72%が維持管理費である。維持管理費用の適正な市町村負担が必要と考える。近年増えてきている高度処理型浄化槽は、通常型に比べ維持管理費が高く、経費は増加傾向です。
また、省エネ型浄化槽システム導入推進事業も動いており、国からの補助率が2分の1になります。
まとめ:新しいシステムや事業がどんどん増えている。市町村設置浄化槽もこれからの富士市の課題であると考える。果敢にチャレンジして、静岡県のトップランナーとしてがんばってもらいたい。

ここで、井林浄化槽推進議員連盟事務局長が到着し、ご挨拶をいただいた。単独処理浄化槽が多いこと、法定検査受検率が低いことに対し、非常に厳しい指摘があり、国会で対処していく決意が述べられました。
IV.​事例報告 
「静岡県における浄化槽法定検査について
~きれいな水環境を次世代に~」
 一般財団法人静岡県生活化学検査センター 
吉野 豪一 専務理事兼所長

静岡県浄化槽設置状況として、静岡県は浄化槽が大変多く、約50万基、全国順位が4位である。そのうち、単独処理浄化槽が占める割合が約66.2%と高く、全国2位の多さである。単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換が急務である。
単独処理浄化槽は、「生活雑排水」を処理することができないので、垂れ流し状態になる。単独処理浄化槽から、合併処理浄化槽への転換が必須である。
総設置数が一番多いのは浜松市52,069基。浄化槽の割合が一番多いのは下田市52.6%である。
また、新規浄化槽の設置基数も静岡県は多い。
浄化槽法第7条に基づく7条検査は、新規設置後3ヶ月から5ヶ月の間に1回受けるものであり、浄化槽法第11条に基づく11条検査は、7条検査の翌年から毎年1回、指定検査機関の検査を受けることが必要とされている。
県内に6検査所・1出張所を設け、57人の検査員を配置している。
富士市にも、富士検査所として7人が配置されている。
11条検査においては、平成28年度、富士市が一番高く27%、次いで掛川市25.8%、
磐田市22・5%である。受検率が低いところでは、伊東市5.1%、熱海市5.5%、函南町6.4%である。静岡県全体では、16.5%となっている。
 不適正の件数も増加傾向にあり、残念な傾向である。消毒剤がない、BODの値が超えている。清掃を一年以上していないなどである。
これからも、行政機関と生科検と関係団体・保守点検事業者等との連携を深めていかなければならない。

V.​講演4
「静岡県における生活排水処理の現状と今後」

公益財団法人 日本環境整備教育センター 国安 克彦 理事
国安理事の講演は、下水道事業には膨大に費用がかかる。汚水処理計画を見直し、浄化槽への転換を図るべきである。時間がなくなり、10分内のみのお話であったが、膨大な資料が配布され、浄化槽行政にとって資料としての価値が高いものである。
まとめ:
静岡県内でトップランナーとして認められた富士市ではあるが、11条検査受検率27%は、全国的に見れば決して高い数字ではない。富士市がこれから市町村設置PFI活用型に踏み込んでいく時期に来ていると感じている。富士市のこれからに、環境省も期待しているのを感じた。富士市が全国のトップランナーになることを願う。


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Posted by 小野やすまさ後援会 at 20:47│Comments(0)富士市議会議員活動環境
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