2017年08月25日
小野ゆみこ研修レポート 「役所を動かす質問の仕方」出版記念特別セミナー」
小野ゆみこ研修レポートを公開します。
(研 修 名) 「役所を動かす質問の仕方」出版記念特別セミナー」
(会 場) TKP東京駅八重洲カンファレンスセンター
(期 間) 平成29年8月7日(月)~8日(火)の2日間
(出席議員) 小野由美子
(主催機関) 地方議員研究会
スケジュール
1.2017年8月7日午後2時~4時半 「大学の先生ではわからない実務的な質問の仕方」
2.2017年8月8日午前9時半~12時 「私がうなった質問はこれだ」
3.2017年8月8日午後2時~4時半 「財政関連質問のポイント」
第1講義
①新人議員研修は必要。(特に財政など学ばなければわかるはずがない)
②議会の機関として研修すべき。(自主的に研修に出る議員とでない議員との差が大きすぎる)
③よい質問とは、住民の福祉の向上に関して成果を出すこと
成果を出すためには段取りが大切
段取り八分・・・仕事を進める上で、事前の準備が重要。仕事の段取りをきっちりしておけば、その仕事の成果に8割がた近づいたということ
役所が動くとは、役所の人間に気づかせること
一般質問とは、議員が一人の議員として執行部の政策、施策のあり方の問題点を問い質し、必要な場合は具体的な施策を提案し、実行を要請するもの。
議員活動の中でも最重要の活動であると考えられる。
政策を執行部のマネジメントサイクルに載せるひとつの大きな機会である。
準備:現場調査→課題の抽出→仮説の設定→検証による修正→質問のリハーサル
現場調査
往々にして、議員は現場調査には強いが仮説の設定は弱すぎる。知識と情報を集めて仮説を立て検証する作業が必要
客観的事実として提示→文書や数字、アンケートデーター→執行部にも調査させる
現場認識は立場で変わる。執行部と市民では時として真逆の結果が導き出される
課題の抽出
事実から課題を抽出する→制度を知らなければ、課題として残っているかは知りえない。また、課題解決のための制度の改正をするにしても制度内容詳細を知る必要あり
→調べるには担当係長に聞く!
「事実・現状認識」の共有が執行部との間でできなければその後一歩も進まない!
「課題意識」への共感があって始めて役所は動く!
仮説の設定=自分の政治テーマを付加彫りして学習しておくことで仮説が立つ
第2講義「私がうなった質問はこれだ」
質問を通じて執行部と一緒に
政策・施策を作っていくイメージ
共有される現状認識とは?
正確にヒヤリング、生データー、出所が明確な数字(各省庁の数字)
住民の視点に立った物語がある
調べればわかる数字を議場で問うのは無駄→なぜ担当者に聞かないのか?
現状認識に誤解がある→質問に答えることは無理!
共感される課題認識とは?
最も重要であり、門段発見能力を磨く→現状のルールを知るための学習が必要
※議員の理念、趣旨が一貫している課題かどうか→テーマは追い続ける!
※優先度が高い課題かどうか
※課題と考えているのが多くの強力な支援者たちに共有されているものか
※共感を得やすい時期→国の政策の方向性にあっているのか
こうしたら解決するのでは?と仮説を立てる
質問はプレゼンテーション、共感と気づきがなければ人は動かない
実現可能性を感じるように、創造的に魅力的に
他自治体や他団体の受け売りは仮設にならない→検証に使う
仮説は主体的に考える→その検証に他団体の成功例を用いる→執行部はまねはしたくないと考えている→むしろ言わない方がよい場合もある
理解・納得を生むプロセス・検証
当事者や住民の意見を聞く
他団体の成功事例を参照する→短く要点を抑えて
専門家の意見を聞く→質問で紹介する
行政全体の中での優先順位は?民意の反映が部分最適になるのでは、執行部は全体最適を目指さなければいけない、民意の統合が必要なのでは?
財源を示した上での提案を
仮説側が自治体でも効果があることを検証した上で、わが自治体の事情に合わせて、具体的な政策に落とし込むのが提案→財源を示す→(例)財政調整基金の取り崩し→スクラップ事業の提案→人件費の削減等々
課題・責任追及型の質問
①違法・不当な権限の行使 ②成果のない事業の継続 ③財政運営上の課題
④首長の政治家として不適切な行為 ⑤議会無視
→機を逃さない!法律的知識が必須!
第3講義「財政関連質問のポイント」
定例議会予算決算スケジュール質問項目
6月決算作業開始早期執行着手(執行平準化)
入札の準備開始
繰越事業の進捗
政策・事業提案
9月決算資料調整
補正予算(事業系)
予算重点項目の洗い出し来年度の重点項目
↓
政策・事業提案の深堀
予算編成方針について
決算委員会決算審査・認定
予算編成方針財政運営方針・健全化
昨年度の政策・事業の成果
12月予算要求と査定作業
補正予算(人件費)政策・事業提案の確認
中長期の事業計画と財政計画
職員給与と定員
3月市長施政方針
予算審査地方財政計画との整合性
直面する課題について来年度事業が求
める成果
持続可能な財政状況にあるか。
※決算カード、財政状況資料集から中長期的な財政計画の作成・公表と説明について問う
人口減少時代は税減収時代でもある。
超高齢化時代は社会保障の急増時代でもある。
その認識のもとに中長期の財政運営計画を策定する必要がある
→中長期財政推計を市に説明させる
財政状況資料集で類似団体と比較して課題経費を特定する→人件費・物件費・公債費
事業の成果指標を定め、評価し、予算査定に反映すべきと考えるが、具体的な仕組みを持っているのか?
PDCAサイクルをしっかり評価する。P予算、D執行、C評価、A改善
アウトプットとアウトカム、KPI
インプット(予算、人材等)(例)移住相談員の報酬、窓口整備費
↓
事業主体(市)
↓
アウトプット(施設・物品等)(例)移住相談窓口の設置、相談員※人配置
↓アウトプットの活用
アウトカム(成果)市内への移住者の増加 5年間で100人
まとめ
実際に執行部で副市長として質問を受けていた立場からの講義は大変ためになった。
今までの質問に関しても講義を受けながら改善点が発見できた。
前回、JIAMで財務諸表の見方を学び、今回、財政関連の質問の注意すべきポイントを学んだことで、前回の研修内容も深めることができた。
執行部に、現状認識に気づいてもらうこと、課題に共感してもらうことからすべてが始まるという視点は、自分の中に欠けていた点と認識した。
今後の質問では、自分が認識している問題だと思う現状をしっかり執行部に認識してもらうことを最優先課題と心がけていきたい。
一緒に作り上げていくのだという認識に立って、今度の議会から、今回学んだ自分に足りなかったポイントを改善していくようがんばっていきます。







(研 修 名) 「役所を動かす質問の仕方」出版記念特別セミナー」
(会 場) TKP東京駅八重洲カンファレンスセンター
(期 間) 平成29年8月7日(月)~8日(火)の2日間
(出席議員) 小野由美子
(主催機関) 地方議員研究会
スケジュール
1.2017年8月7日午後2時~4時半 「大学の先生ではわからない実務的な質問の仕方」
2.2017年8月8日午前9時半~12時 「私がうなった質問はこれだ」
3.2017年8月8日午後2時~4時半 「財政関連質問のポイント」
第1講義
①新人議員研修は必要。(特に財政など学ばなければわかるはずがない)
②議会の機関として研修すべき。(自主的に研修に出る議員とでない議員との差が大きすぎる)
③よい質問とは、住民の福祉の向上に関して成果を出すこと
成果を出すためには段取りが大切
段取り八分・・・仕事を進める上で、事前の準備が重要。仕事の段取りをきっちりしておけば、その仕事の成果に8割がた近づいたということ
役所が動くとは、役所の人間に気づかせること
一般質問とは、議員が一人の議員として執行部の政策、施策のあり方の問題点を問い質し、必要な場合は具体的な施策を提案し、実行を要請するもの。
議員活動の中でも最重要の活動であると考えられる。
政策を執行部のマネジメントサイクルに載せるひとつの大きな機会である。
準備:現場調査→課題の抽出→仮説の設定→検証による修正→質問のリハーサル
現場調査
往々にして、議員は現場調査には強いが仮説の設定は弱すぎる。知識と情報を集めて仮説を立て検証する作業が必要
客観的事実として提示→文書や数字、アンケートデーター→執行部にも調査させる
現場認識は立場で変わる。執行部と市民では時として真逆の結果が導き出される
課題の抽出
事実から課題を抽出する→制度を知らなければ、課題として残っているかは知りえない。また、課題解決のための制度の改正をするにしても制度内容詳細を知る必要あり
→調べるには担当係長に聞く!
「事実・現状認識」の共有が執行部との間でできなければその後一歩も進まない!
「課題意識」への共感があって始めて役所は動く!
仮説の設定=自分の政治テーマを付加彫りして学習しておくことで仮説が立つ
第2講義「私がうなった質問はこれだ」
質問を通じて執行部と一緒に
政策・施策を作っていくイメージ
共有される現状認識とは?
正確にヒヤリング、生データー、出所が明確な数字(各省庁の数字)
住民の視点に立った物語がある
調べればわかる数字を議場で問うのは無駄→なぜ担当者に聞かないのか?
現状認識に誤解がある→質問に答えることは無理!
共感される課題認識とは?
最も重要であり、門段発見能力を磨く→現状のルールを知るための学習が必要
※議員の理念、趣旨が一貫している課題かどうか→テーマは追い続ける!
※優先度が高い課題かどうか
※課題と考えているのが多くの強力な支援者たちに共有されているものか
※共感を得やすい時期→国の政策の方向性にあっているのか
こうしたら解決するのでは?と仮説を立てる
質問はプレゼンテーション、共感と気づきがなければ人は動かない
実現可能性を感じるように、創造的に魅力的に
他自治体や他団体の受け売りは仮設にならない→検証に使う
仮説は主体的に考える→その検証に他団体の成功例を用いる→執行部はまねはしたくないと考えている→むしろ言わない方がよい場合もある
理解・納得を生むプロセス・検証
当事者や住民の意見を聞く
他団体の成功事例を参照する→短く要点を抑えて
専門家の意見を聞く→質問で紹介する
行政全体の中での優先順位は?民意の反映が部分最適になるのでは、執行部は全体最適を目指さなければいけない、民意の統合が必要なのでは?
財源を示した上での提案を
仮説側が自治体でも効果があることを検証した上で、わが自治体の事情に合わせて、具体的な政策に落とし込むのが提案→財源を示す→(例)財政調整基金の取り崩し→スクラップ事業の提案→人件費の削減等々
課題・責任追及型の質問
①違法・不当な権限の行使 ②成果のない事業の継続 ③財政運営上の課題
④首長の政治家として不適切な行為 ⑤議会無視
→機を逃さない!法律的知識が必須!
第3講義「財政関連質問のポイント」
定例議会予算決算スケジュール質問項目
6月決算作業開始早期執行着手(執行平準化)
入札の準備開始
繰越事業の進捗
政策・事業提案
9月決算資料調整
補正予算(事業系)
予算重点項目の洗い出し来年度の重点項目
↓
政策・事業提案の深堀
予算編成方針について
決算委員会決算審査・認定
予算編成方針財政運営方針・健全化
昨年度の政策・事業の成果
12月予算要求と査定作業
補正予算(人件費)政策・事業提案の確認
中長期の事業計画と財政計画
職員給与と定員
3月市長施政方針
予算審査地方財政計画との整合性
直面する課題について来年度事業が求
める成果
持続可能な財政状況にあるか。
※決算カード、財政状況資料集から中長期的な財政計画の作成・公表と説明について問う
人口減少時代は税減収時代でもある。
超高齢化時代は社会保障の急増時代でもある。
その認識のもとに中長期の財政運営計画を策定する必要がある
→中長期財政推計を市に説明させる
財政状況資料集で類似団体と比較して課題経費を特定する→人件費・物件費・公債費
事業の成果指標を定め、評価し、予算査定に反映すべきと考えるが、具体的な仕組みを持っているのか?
PDCAサイクルをしっかり評価する。P予算、D執行、C評価、A改善
アウトプットとアウトカム、KPI
インプット(予算、人材等)(例)移住相談員の報酬、窓口整備費
↓
事業主体(市)
↓
アウトプット(施設・物品等)(例)移住相談窓口の設置、相談員※人配置
↓アウトプットの活用
アウトカム(成果)市内への移住者の増加 5年間で100人
まとめ
実際に執行部で副市長として質問を受けていた立場からの講義は大変ためになった。
今までの質問に関しても講義を受けながら改善点が発見できた。
前回、JIAMで財務諸表の見方を学び、今回、財政関連の質問の注意すべきポイントを学んだことで、前回の研修内容も深めることができた。
執行部に、現状認識に気づいてもらうこと、課題に共感してもらうことからすべてが始まるという視点は、自分の中に欠けていた点と認識した。
今後の質問では、自分が認識している問題だと思う現状をしっかり執行部に認識してもらうことを最優先課題と心がけていきたい。
一緒に作り上げていくのだという認識に立って、今度の議会から、今回学んだ自分に足りなかったポイントを改善していくようがんばっていきます。







Posted by 小野やすまさ後援会 at 17:09│Comments(0)
│富士市議会議員活動
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