富士圏域妊産婦及び母子支援ネットワーク・こども虐待予防研修会に参加して
11月18日(金)午後7時から、富士圏域妊産婦及び母子支援ネットワーク・こども虐待予防研修会が、フィランセ4階大ホールで行われ、参加してきました。
まず、行政説明で①母子保健の視点から見る児童福祉法改正のポイント②富士圏域妊産婦及び母子支援ネットワークについての説明がありました。
続く講演は、「社会的ハイリスク妊産婦:産科から始まる虐待予防」で、講師は、岡山大学大学院保健学研究科教授 中塚 幹也氏です。
出席者は、産科・小児科・精神内科のお医者様方が24名+α、看護師16名+α、助産師9名+αに、教育機関、子育て支援関係者、保育士、保健師、児童相談所に、児童家庭支援センター、そして、富士市・富士宮・静岡県の行政機関です。そうそうたるメンバーが、忙しい中参加されていました。
「社会的ハイリスク妊産婦」の背景には、望まない妊娠、10代の妊娠、未婚、母子手帳がない、妊婦健診が少ない、飛び込み分娩、夫・家族の支援不足、胎児・新生児への愛着が弱い、DV被害、子どもへの虐待、母体の疾患、新生児の疾患、精神的支援が必要、外国人、医療費の未払い、助産制度などの因子が複合的に存在する。
医療施設からの早期連絡票、保健師による家庭訪問、助産制度などの経済支援、等々の早期発見・進行防止が、産み落とし殺人や虐待等々を防ぐ手立てとなる。また、医療機関や看護師などが、妊産婦が夫から受けているDVに気が付くことがある。その場合の相談に乗るスキルもとても必要とのお話でした。夫からDVを受けている場合、出産後の子どもや母親が、引き続き虐待を受けることになるからである。
最後に、「妊娠期から育児期にわたる切れ目のない支援を行うために」というテーマで、シンポジウムが行われました。座長は、さきほど講演をされた岡山大学の中塚教授、パネリストは、武田産婦人科医院の武田修院長、富士市健康対策課成宮ルミ統括主幹、富士児童相談所 斎藤孝広所長です。
会場からは産科医院のお医者さん方の発言が多く、これから構築されていく「富士市子育て世代包括支援センター」の土台作りの基礎工事ができたのかなあと感慨深かったです。まだまだ足りないところも多々あることと思いますが、これからもしっかり応援していきたいと思います。
すべてもの子どもに授かった命を大切に、「この世の中に生まれてきてくれてありがとう!」と心から言える社会にしていきたいと思います。
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