第51回全国学童保育研究集会in愛知に参加して

小野やすまさ後援会

2016年11月11日 17:49

2016年10月29日(土)全大会、10月30日(日)分科会と2日間にわたって、第51回全国学童保育研究集会in愛知が行われました。私も青葉台地区児童クラブの運営委員をおおせつかっていることから関心があり学んできました。
 1日目は、愛知県体育館で名古屋城のお城の敷地内にあり、お城をうまく利用してさまざまな公共施設が建てられています。歓迎式典で、名古屋市内の児童クラブの子どもたちがダンスを披露してくれました。
やっとこダンス、作業場のやっとこを竹馬にしています。
全国学童保育連絡協議会の基調講演は、増え続ける学童保育入所希望者に対し追いつかない施設整備の状況や、各市町村によって施設・設備・環境があまりにも異なっていることから、どの学童保育でも「安全で安心できる生活の場」作りが急がれているお話がありました。その後、東日本大震災・平成28年熊本地震で被災した地域である岩手県・福島県・熊本県のそれぞれの学童保育支援員のお話がありました。子どもたちの心のケアだけでなく、職場や家を失った保護者の方々への支援も必要な実態が報告されました。とてもがんばっていらっしゃる様子、そして今なお苦しんでいる被災地の状況が報告されました。
 その後、福山市立大学田丸敏高教授「子どもの張った地と大人の役割」のお話がありました。田丸教授は、人の一生を、胎児期、乳児期、幼児期、児童期、思春期、青年期、壮年期、中年期、老年期と時期区別をし、それぞれ次の時期に行くための準備ではなく、子ども(人)にとってそれぞれの時期が固有の息と価値を持つのだと強調されました。9歳10歳の発達段階における壁は、論理的な思考、抽象的な言語を用いた思考の始まる大切な時期であること、道徳的な判断やお金の役割社会の仕組みについても理解し始め、子ども集団の活動を通じて社会性や人格の発達が見られる大切な時期であることを強調しました。この時時期を大切にする学童保育の役割の大きさをお話されました。外に出たらもうすっかり暗くなっていました。お城のような市庁舎です。
10月30日(日)分科会は、金城学院大学で行われました。たくさんある分科会の中で、私は第29分科会「社会保障・児童福祉施策の動向と課題」と題して、静岡大学 石原剛志教授の講座を受講しました。

まず、日本における社会保障が未発達であること、住宅や保育・高等教育に関する公的保障が希薄であることなどが取り上げられ、静岡大学においても、リーマンショック後、親が学費を負担できず、子どもが奨学金やアルバイトで必死にまかなっている様子がはっきりと見えるとのことです。1990年代半ば以降、日本型雇用が縮小・解体し、不安定雇用と低賃金が拡大①青年・子育て世代の貧困化 ②高齢者の貧困化・孤立 ③介護難民・介護離職 ④待機児童問題 ⑤こども虐待 ⑥多就業(共稼ぎ化、ダブルワーク、高校生・大学生アルバイト) ⑦奨学金返済による経済的困難 ⑧非婚化・晩婚化 等々が増えている。
  この分科会の討論で一番問題となったのが、学童保育の民営化でした。シダックスに市が全面委託したところがあり、あるクラブでは、カラオケ店の店長が主任となり、学童保育が全くわかっていないことから、いままで長く勤めていた指導員が全員辞めて、自主的な児童クラブを立ち上げたところが出ていることに驚きました。全国には、いろいろな形で学童保育が営まれていて、富士市のやり方は、ある意味本当に落ち着いていて、施設としては大変恵まれているのだと理解できました。
 民営化が叫ばれる昨今ですが、なんでも民営化すれば良いというわけではなく、しっかりと行政が担うなり責任が取れる体制でいなければならない分野があるのだと実感しました。
 学童保育の勉強会でしたが、社会全般に密接に関連していて、大変に良い勉強ができました。全国から5000人以上の指導員や保護者が参加しての研究集会でした。

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