「静岡市子育て支援ヘルパー派遣事業について」視察報告、時代背景を踏まえ、今後必要な事業

小野やすまさ後援会

2020年01月23日 20:05

 1月14日に、「静岡市子育て支援ヘルパー派遣事業について」、会派の許可を取って、一人で視察に行ってきました。
 「静岡市子育て支援ヘルパー派遣事業」とは、産後ケア事業の範囲以上に、家事に関する援助(食事の準備、後片付け、衣類の洗濯、掃除、整理整頓、買い物、日常的に行う必要のある家事)や育児に関する援助(授乳、おむつ交換、沐浴介助、育児環境の整備等)を行うサービスです。
 派遣対象は、①1歳未満の乳児と同居し、昼間ほかに家事・育児に協力できるものがいない方で、支援を必要とする家庭であること、②3歳未満の乳幼児を2人以上養育する家庭、③妊娠中で体調不良により家事・育児の援助を必要とする家庭などです。
 利用者負担は、生活保護世帯及びひとり親世帯で市民税非課税世帯は無料。
           市民税非課税世帯は1時間当たり450円。
           その他の世帯は、1時間当たり900円。
https://www.city.shizuoka.lg.jp/744_000041.html
上記内容を踏まえた上で、事前質問をして視察しました。以下報告書です。
JPEGでは見えにくいと感じましたので、文書でも掲載します。

静岡市子育て支援ヘルパー派遣事業について
 令和2年 1月14日(火)静岡市市役所  視察議員:小野由美子
静岡市子ども未来局子ども家庭課 給付係長 対応


① 事業を始められた経緯、目的、成果、課題について

経緯:子育て中の親支援事業として、静岡市単独事業として、平成20年4月から、
「多胎児家庭支援事業」として開始した。平成21年度からは、3歳以下2人以
上の子供を持つ家庭であり、妊娠中から条件が合えば利用が可能になった。
目的:周りからの支援のない子育て中の親の支援が必要である
成果:平成28年度 利用世帯151世帯、 利用のべ回数533回
   平成29年度     194世帯、       640回
   平成30年度     260世帯、       737回
   1~2回の本当に困ったときに利用する家庭が多い
   PRに力を入れ声掛けしたことで利用が増えた
課題:事業所の確保が難しい。現在、介護事業所に委託している。
個人(助産師・保健師)などから協力要請はあるが、市としては個人への委託は
行っていない。
② 国の補助制度は使っているのか、元になる国の事業は何か
市単独事業である。
③ 委託事業で行っているのか、市の支援・負担はどれくらいか
委託事業:1,354,000円で契約、これが市の負担額。
それに利用者負担額(1時間900円×時間)が事業者に直接支払われる。利用者負担額は全額事業者に入る。生活保護・非課税ひとり親世帯の利用は無料であるが、それらの負担を含めての委託費(市負担額)である。
④ 対象世帯を規定しているが、判断基準と選定をどのタイミングで誰が判定しているのか
母子手帳配布時に、案内を渡している。母子手帳は、市内に9か所ある保健福祉センターで渡している。その時に事業案内として、ハンドブックを配布しているし、配布だけではなく、面接で支援の必要があると思われる方々には、各サービスの内容を含め判断し、詳しく説明し、申請書を一緒に書いたりすることもある。 市内に9か所ある保健福祉センターには、「家庭児童相談係」がいて、そこが担当している。「家庭児童相談係」が直接相談・申請を受け付ける。
こども未来局こども家庭課が担当課になるが、その情報は子育て支援課と共有している。
里帰り出産の方も、条件が合えば利用することができる。 
⑤ 利用者の反応、ご意見等々。
時給900円で2時間を支払う方々が利用する場合は、本当に困った時なので感謝される。
生活保護家庭や非課税のひとり親世帯は利用料金がかからず、市が負担するが、そんなに利用は多くない。中にはたまにめいっぱい利用する方もいるが、今のところきちんとお支払いいただく方々が多いので、事業が回っている。「助かった」というお声をいただく。
⑥ 事業者の選定基準、選定方法、研修システム、資格の有無を教えてほしい。
介護保険法に規定する指定訪問事業所4社に委託しているが、お願いしている状況である。事業者を増やしたいが、介護事業所は介護だけで忙しくなってきていて、なかなか振り分けていただけない場合がある。研修は行っていないが、介護保険のほうで行っている。資格はない。子育て経験の豊富な方であればよい。
 助産師や保健師などが個人で支援ヘルパー派遣事業に登録したいという場合があるが、市が委託するのは事業所のような法人格を持っているところとなる。
母親たちが、個人的つながりで、そういった個人の事業主にお願いしていることはあるようだ。市としては関与していない。
⑦ 周知方法及び、若者移住へつながったケースの有無を教えてほしい。
静岡市のHPで周知しているが、母子手帳配布時に、その方にあった伝え方をしている。面談しながらの説明の方がきちんと伝わると感じている。
若者移住につながったという情報はない。あるかもしれないが、情報がこちらには来ていない。
⑧ 子育て家庭のうち何%が対象世帯で、そのうち何%が登録しているのか
登録は、利用世帯の倍くらいである。いろいろなサービスがあるので、この事業だけを見てのデーターはとっていない。児童虐待・ママケア・保健師訪問・産後ケア事業等々、どのサービスが、その母子にとって適切かを判断してつなげている。

平成25年に、市民アンケートを実施
した。133人が回答、
登録後、「利用した」は40%、「利用しない」が60%、
「期待より良かった」が81%、
「3回以上利用」は、69%
利用しなかった理由は、「援助者がいた」「他のサービス(個人的)を利用」「どんな人が来るのか不安」「贅沢だと感じる」などの意見があった。
 アンケートでは、「子育てヘルパー派遣事業を市が行っている」ことを知らない方々がほとんどであった。これは、母子手帳配布時でのPRがほとんどで、一般的に広報しているのではないからということはあるのかもしれないが、広報することよりも必要な人に伝わることが大切と思っている。

まとめ
市独自でこの事業を立ち上げたことは大変評価できると感じました。
実際の利用が増えていて、その方々は、本当に困っているから利用したということですので、この支援事業が大変必要なものであるということが理解できました。核家族化していること、母親の親世代も働いている場合が多くなり、子の支援にあたれないということもあるし、またシングルマザーの孤立化を考えると、大変に必要な支援だなと実感しました。実際に使う世帯はお金が払える方々が多いということも意外でした。
政令指定都市で、市の持ち出しが150万円以下の事業で、700回以上の年間利用があるのなら、富士市としても考えられるのではないかと感じました。
 ただ、静岡市では、家庭児童相談係が市内に9か所の保健福祉センター全部に配備されており、そこで、きめの細かな相談を受けることができるということ、児童相談所を市が持っているので、的確で素早い連携ができる、情報交換ができるということは、政令指定都市である静岡市ならではのことなのかもしれないとも感じました。(中核市は児童相談所を持てますが、やはり費用は掛かり、富士市は継続審議となりました)
 もう少し深めて、多角的に、富士市に必要な形を考えていきたいと感じました。



富士市にあう必要な形を深めて、多角的に、前向きに考えていきたいと思います。

視察が終わって、静岡市役所1階では、全国高校サッカー選手権大会で優勝した静岡学園の報告会の準備がされておりました。
心よりおめでとうございます㊗️



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