~住民とのコミュニケーション~市町村議会議員研修みらい富士レポート

小野やすまさ後援会

2017年05月26日 14:03

みらい富士研修レポート         
市町村議会議員研修「2日間コース」
住民とのコミュニケーション~対話と受発信力の向上~
2017年(平成29年)4月20日(木)~21日(金)
講 師:京都造形芸術大学副学長 本間正人氏
場 所:全国市町村国際文化研修所(JIAM)
レポート作成議員:みらい富士 小野由美子



本間 正人氏プロフィール   
「教育学」を超える「学習学」の提唱者であり、「楽しくて、即、役に立つ」参加型研修の講師としてアクティブ・ラーニングを25年以上実践し、「研修講師塾」を主宰する。京都造形芸術大学教授・副学長、NPO学習学協会代表理事、NPOハロードリーム実行委員会理事。コーチングやポジティブ組織開発、ほめ言葉などの著書66冊。
東京大学文学部社会学科卒業、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾研究主担当、NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」「三か月トピック英会話:SNSで磨く英語アウトプット表現術」の講師などを歴任。TVニュース番組のアンカーとしても定評がある。一般社団法人大学イノベーション研究所代表理事、アカデミックコーチング学会会長、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事、一般財団法人しつもん財団理事、などをつとめる。「らーのろじーHPより抜粋」               

以下、本間先生の講義とレジュメから
「教育学」ではなく、「学習学」が必要とのお話から始まりました。「教育学」は教え込むこと。「学習学」は自ら学ぶことを推奨しています。
教育は、今にEラーニングにとってかわられる、
自ら学ぶ姿勢ことが大切と提唱しています。
「庁」という字は、もともと、「王様が、耳をそばだてて、建物の中で、直に心を込めて話を聞くところ」なのだそうです。
政治の元は、聴政(王朝時代)だったそうです。


最終学歴に何の意味がある!大切なのは、最新学歴! いくつになっても学ぶ姿勢が大切であり、最近読んだ本、学んだことを、気が付いたことを大切にしていく、最新で学んだことは何かが大切とのことです。
1、コミュニケーションの3つの機能
(1)理解を増やす  
 人を外見などの固定観念、思い込みなどにとらわれてみている部分、と未知なる部分が見え、わかってくることにより、理解が深まる。「住民」って誰なのか、「住民の声」って何なのか、思い込みや固定観念を排するには、よく人の話を聞こうとすること。 

(2)人間関係に影響を与える
face to face communication が基本。人間関係に対する影響度は、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションがある。非言語コミュニケーションとは、距離・視線・表情・動作・声・アイコンタクト・視線の角度・合間・声のトーン・手振りなど様々なものがある。
 
(3)信頼関係を築く
ここで、信頼のエクササイズとして、ブラインドウォークを実施
 ①前後の人と組んで、ひとりが目を瞑り、もう一人がリードして、研修所の周りを6分ずつ交代しながら歩く。 途中で、肩に手を置くことをやめさせて、声だけでリードする。 
目が見えない相方を、言葉と肩に置いた手で、安全に道を進めていくことのむずかしさ。

2.言語コミュニケーションのポイント
(1)相手の立場に立ったわかりやすい指示
相手を基準に考える、言葉には多義性がある、そこを踏まえて指示を出す大切さ。
避難や介護には、一義性のある指示が必要

(2)急に指示するのではなく、予告することが大切。 
(3)相手に合わせて表現を変える 
    Coaching では、Aさんには12歩、Bさんには10歩、Cさんには8歩と
相手に合わせて指導内容、指導方法を変える。個別指導になるところが、teachingとの違い。相手に合わせてカスタマイズする。今の相手の状況からバージョンアップを図る

(4)何も問題のない時にも意識的にコミュニケーションをとる
 【現状】今、どこにいるのか
 【目標】どこへ行こうとしているのか
エクササイズにおいて、声掛けがない瞬間が一番怖いということを認識したはず→ コミュニケーションの大切さ

(5)信頼の階段
    言行一致で、一歩ずつ信頼を積み重ねていく。しかし落ちるのは一瞬。
そして、落ちるところは登り始めたところよりずっと低いところであることを忘れないようにすることが大切。

(6)手を離す=人を育てるポイントである。
 任せて任さず、過干渉と過放任の間を行く。フォローのコミュニケーションをとる。
 learning communication その人の望むところまで、学びながら会話をし、送り届ける。
 Let’s の考え方。教え込むのではない。Yes, let’s!


3.コーチングの基本の考え方
 COACHの語源=「馬車」
COACHING=「大切な人を望むところまで送り届ける」
  ※「教え込む」のではなく、「引き出す」のがコーチング
  
  大切なのは、個別的であるということ、相手に合わせ、日々学習して成長していく相手に合わ
せること。 常に固定観念にとらわれることなく、その時の相手に合わせること。

  大切な3つのスキル  ・傾聴  ・質問  ・承認=ほめる
コーチングの理念= 信・認・任
  信:人間の可能性を信じる。上司・部下の信頼関係
  認:良いところを見て心にとめる
  任:適材適所の業務・目標を任せる
女性は共感要求が高いので、☆あいづち ☆うなづき ☆くりかえし active learningの3要素
男性は有能性証明要求が高いので、問題解決を図ろうとする。徳が高い人は、聞き上手。
政治は経済学ではなく、感情学(共感学、人間学)だ!
4.傾聴のスキル
Active listening の3要素 あいづち 、うなづき 、くりかえし
5.質問のスキル「ヒーロー・インタビュー」
隣の席の方と組んで、インタビュアーとヒーローに分かれて、エクササイズ
※心と心が通い合うコミュニケーション①感情モニタリング(自分の心の声を聴く)
 ②情緒的表現性(感情表現の語彙を増やす)heart to heart
※「ダイヤモンドの原石」(松下幸之助)
「その人なりに人間とはダイヤモンドの原石のようなもの」→「ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない」→「人は人によってはじめて磨かれる」→「切磋琢磨」
※他者紹介→「すべての人が一人の例外なく、その人なりにヒーローになる」→
ほかの人ががんばった話をしてあげる。(ベストプラクティスの共有)
総論で賛成!共感と賛同は違う。共感をして、受け止めてあげることが大切。
6.やる気グラフを作成し、グループ内で披露しあうワークショップを開催
ベストプラクティスの共有を行ったことで、グループ内がとても親近感が増し、仲良くなりました。気持ちの変化に驚きました。
7.ダイアローグ
1)聴き合う   人と事を分ける。(あなたは大好き、でもここは意見が違うな)
2)否定しない  正解のない話をする。
(あなたは何の食べ物に幸せを感じますか?)
3)視点の幅を広げる→多様性を楽しむ(多様性を楽しむ、色々な考えがあるね)
4)自分の意見を言う→意見を受け止めたうえで、
8.ストレスマネジメントのポイント5つの原則
1)全体性の回復 whole→heal→healthとのこと、(運動、ジム)
2)カタルシス (カラオケ、笑う、泣く、大声を出す)たまっているものを外に出す
3)非日常性 (旅etc.
4)創作活動 (料理、自分の世界を作るー創世記が語源the (re)creation
5)洞窟願望 (パチンコ、ひとりドライブ、、、
自分のストレスレベルに気が付くことが大切、自分のレパートリーを広げる

9.問題解決の方法「GROW モデル」
質問によって相手に考えさせ、相手が自ら答えを導き出すのをサポートするエクササイズを隣の席の方と行いました。
G Goal 目標の明確化 (大目標から中小目標へ) 目標には必ずカスケードがある。
R Reality 現実把握  10点満点で今は何点?
Resource 資源の発見(人、物、金、情報、時間)目標達成のために使えるツールは?
                       誰かの力を借りられませんか?
O Options 選択肢の創造 無限の可能性を追求し、ベストの選択肢を選ぶ、他に?
W Will 目標達成の意思 やる気の確認 コミットメント 計画の策定

※ここまで確認して、先生のモデルケースを見てから、実際に隣の方とコーチングをしてみました。
 実際にやってみると、相手が答えに行き詰った時に、アドバイスをしたくなってしまうのに困りました。質問で、自ら答えを導き出す手伝いをしているのですが、こちらでこうゆうやり方があるよ、こんな考え方もできるよね、とつい言いたくなってしまいます。絶対に言ってはいけないのか、どこまでが許容範囲なのか、難しいなと思いました。

そこで、帰ってきてから、富士市立中央図書館に行って、講師の本間先生の著書を検索しましたら、何十冊と出てきました。その中から、この2冊をお借りしてきましたので、研修会終了後も、引き続き学んでいきたいと思っております。
 ちなみに、本間先生は、F-bizの小出さんとお知り合いだそうです。とても評価していらっしゃいました。また、お会いできる機会もあるのではないかと感じました。良い研修でした。


関連記事